うちなー美味(まーさん)肉紀行 沖縄の美味(まーさん)肉を知る、味わう

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牧志公設市場

マチグヮー(市場)おすすめの美味(まーさん)肉を紹介!

牧志公設市場について

闇市から始まった那覇庶民の台所

国際通りから市場本通りへ入ると、地元ではマチグヮーの愛称で親しまれている、まるでアジアのマーケットを思わせるような、なんとも心躍る商店街が広がっています。その中心に位置するのが牧志公設市場。軒を連ねる肉屋、魚屋、青果店、かまぼこ屋、惣菜屋、乾物屋……ここはまさに那覇庶民の台所です。
戦後、米軍統治下に置かれた沖縄。那覇の一角、現在の開南バス停から松尾にかけてのガーブ川沿いに、いつしか闇市が誕生したのだそうです。1951年には正式に牧志公設市場として開設。以来、今日まで、地元で愛され続けてきました。

「普段の買い物は近所のスーパーで済ませたとしても、お盆や正月の準備だけは必ずここで」という方も多く、旧暦で行事を行う沖縄では、旧正月や旧盆、旧暦3月の吉日に行われるシーミーと呼ばれる清明祭の前には、多くの客で賑わいます。

観光客からの人気も非常に高く、商店街から牧志公設市場を散策しながら、沖縄土産選びに迷うのも楽しいひととき。中でも、牧志公設市場1階の鮮魚店には、イラブチャー(ブダイ)やアカジンミーバイ(スジアラ)、アバサー(ハリセンボン)など、沖縄ならではの色鮮やかな魚が並び、注目を集めています。同じく1階の精肉店の店先を飾るサンいグラスをかけた豚の頭も、人気の撮影ポイントとしておなじみです。
牧志公設市場の2階にある食堂街も、ぜひ訪れてみたいスポット。沖縄そばや郷土料理が楽しめるのはもちろん、1階で購入した魚を調理してもらい、ここで食べるのもOK。地元客も多いので、おすすめメニューを聞いてみると、親切に教えてもらえるかも。

市場組合長が語る、マチグヮー(市場)だから堪能できる美味(まーさん)肉

沖縄の伝統料理に欠かせない豚肉

「ここの1階には20軒の精肉店があって、豚と牛を扱っているのが15店、牛肉専門が2店、鶏肉専門が1店、それに山羊肉を扱っている店が2軒。全体の8割は豚肉。やっぱり沖縄は豚だよね」と話してくださった上原さん。地元では圧倒的に、三枚肉と呼ばれるバラ肉と、ソーキと呼ばれる骨付きスペアリブの人気が高いとのこと。ご先祖様に三枚肉の煮つけをお供えしたり、ソーキ汁や中身汁(豚のモツで作る澄まし汁)で来客をもてなしたり、沖縄では各家庭での伝統行事に必ず豚肉を使います。日常的にも昔ながらの家庭料理には豚肉が欠かせません。

「沖縄では肉以外にも、チラガー(豚の顔の皮)も、ミミガー(豚の耳の皮)も、ティビチ(豚足)も食べる。三十三回忌のような大切な法事では、ご先祖様に豚一頭をお供えしましたよと伝える意味で、チラガーと尻尾を並べてお供えしたりもする。沖縄では鳴き声以外はすべて食べる……なんていうけど、その通りだね」とにっこり笑う上原さん。

食べたら分かる職人の腕と技

「肉の美味しい食べ方なら、なんでも聞いて!たまには三枚肉やソーキじゃなくて、ロースでごちそうを作ったり、赤身の多いグーヤヌジー(前肉)をじっくり煮込んでも美味しいよ」。会話を楽しみながらの買物は、市場の大きな魅力。料理のレパートリーがグンと増えそう。
「市場の精肉店の腕の見せどころは、売場に並べる前の処理にあるんですよ。たとえばティビチなら、皮をきちんとバーナーで焼いて毛を処理したり、蹄の指の間は丁寧にカットしたり。ビービー(豚の小腸)なら、まずは脂をちゃんと取り除いてから、ゆがいて、きれいに洗う。お客様からは見えない手間を惜しまないことで、あの店の品物は美味しいと評価してもらえる。だから、親子2世代で何十年も通ってくださるお客様や、飲食店を経営するプロの方が足を運んでくださるのでしょうね」。市場の精肉店ならではの技に惚れ込んだファンが多いのも、うなずける話です。
「沖縄で食べた肉料理をわが家でも作ってみたいと、生の肉を買って帰る観光客の方も多いですよ。そんなときは、真空パックなどでしっかり包装してから、保冷材を添えて保冷バッグに入れてお渡ししたり、ご自宅へクール便でお送りすることもありますね」。気軽に沖縄の味を楽しめるお土産について聞いてみると、おすすめ商品を教えてくださった。

「市場の肉屋では、それぞれに自慢の味のラフティー(三枚肉の煮つけ)やティビチ(豚足の煮つけ)を真空パックで発売していて、冷蔵でお持ち帰りいただけます。また、牧志公設市場のプライベートブランド商品でも、ラフティーやティビチ、チラガー、豚とろベーコン、ぶたりめ(豚もも肉のスモーク)などがあり、ご好評いただいていますよ」とのこと。すぐに食べられる調理済み商品で手軽に味わうもよし、肉を買って調理法を教えてもらい、自分で料理するもよし。沖縄の豚肉料理を極めるなら、ぜひ牧志公設市場へ。

マチグヮー(市場)おすすめの美味(まーさん)肉を紹介!

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