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生産者(カラヤー)の声

10 農業生産法人(株)福まる農場:崎原多順さん・上里進さん

二人三脚で生産部門と営業部門を運営

福まる牧場(イメージ)「いや、困っちゃうよね。自分がお歳暮の贈答用に使おうと思ったら、もう肉がないの!待っているお客様が優先だからって、営業担当の自分でさえ手に入らないほどの大人気」と笑顔で話す、農業生産法人(株)福まる農場で取締役専務を務める上里進さん。
 養豚事業から精肉加工・販売までを手がけるこの農場では、代表取締役の崎原多順さんが生産部門を、上里進さんが営業部門を担当し、二人三脚で「キビまる豚」ブランドを育て上げてきました。現在、スタッフは約10名。沖縄本島南部の2カ所の農場で計1400頭を飼育しており、年間約750頭を出荷しています。

福まる農園(イメージ)「こまめに個々の豚の体調をチェックして健康管理に気をつけ、できるだけストレスをかけず、いい餌を食べさせてやること」と、美味しい肉を生み出す秘訣を教えてくれたのは、生産部門を率いる崎原さん。この農場では、配合飼料に加え、紅芋、サトウキビを原料とする糖蜜、フーチバー(ニシヨモギ)や長命草といった沖縄産食材を与えているのだそうです。
 特に紅芋は、農場からほど近い紅芋の名産地、八重瀬町の具志頭産。紅芋畑の管理に苦労していたご高齢の農家さんに協力し、収穫が終わった畑を掘り返して土をほぐし、養豚場から出た堆肥を土に返して耕すという作業を行う代わりに、土の中に残った芋を豚の餌用にもらっているのだとか。沖縄では近隣の農家が互いに農作業を手伝い合う「結(ゆい)まーる」という古き良き習慣があるのですが、これも新しいスタイルの「結まーる」なのかもしれません。
 こうした実績を持つ福まる農場は、平成24年2月、沖縄産農産物を飼料に混合した豚の生産化と自社加工・商品開発・販売事業を行っている点が評価され、「六次産業化・地産地消法」に基づく事業計画であるという農林水産省の認定を受けました。

日本一の養豚場を目指して新豚舎を始動

「キビまる豚」の特徴は、豚特有の臭みがなく、まるで上質な和牛のように細かいサシが入った肉質で、脂肪の融点が低いため、まろやかで甘みのある味わいであること。この豚肉に惚れ込んだ、ある一流ホテルのシェフは「よくぞ、これほどの豚肉を作ってくれた!」と唸ったといいます。その美味しさがプロからプロへとクチコミで広がったものの、生産が追い付かない状態で、「キビまる豚」の味を堪能できるのは、沖縄県内でもわずか数店舗のレストランのみ。高まる一方の需要に応えるため、この夏、いよいよ新豚舎が始動することになりました。
「目指すは日本一の養豚場」と胸を張る崎原さん。現在、計画が進められている新豚舎は、なんとオートメーションなのだそうです。豚舎の温度設定をはじめ、給餌や飲み水ももちろん完全自動管理。豚が一頭ずつ移動する際、通路にセットされた体重計で計測され、出荷サイズに達した豚は自動的に選別されるシステムに。この新豚舎が稼動すれば、出荷頭数は飛躍的に伸びる予定。
また、新豚舎はウィンドレス豚舎という地域環境にも配慮した施設となり、これまでの豚舎のイメージを変えていく施設が出来ます。
「しゃぶしゃぶにして、何もつけずに食べてみて欲しい。肉の甘みがよく分かるはず」と崎原さんが太鼓判を押す「キビまる豚」を味わえるチャンスが増えるのが、今から待ち遠しいですね。

もとぶ牧場(イメージ)

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